【中学受験】男女別学は時代遅れ?女子校・男子校のメリット・デメリット 女子校出身者が徹底解説

受験

共学と男女別学どちらがよいのかしら?共学化が進んでいるし、男女別学は時代遅れなのでは?

私は共学出身だから、女子校や男子校ってどういう感じなのか分からないわ・・。あえて男女別学にするメリットって何かしら?

私立中学校の共学化が進み、男女別学は時代遅れでは?と言われています。

あえて男女別学に入れる意味はないと思う方も多いと思いますが、女子校育ちの私は、「むしろ女子校こそ最先端の感覚を身に着けることができるのでは?」と思っています。

お子さんやそのご家庭の方針よっては、男女別学の方が合っているという場合もあるので、この記事を読んでぜひ男女別学も検討対象にしていただけたら嬉しいです。

この記事では、男女別学のメリット・デメリットを徹底解説。女子校出身者である私の経験談も交えて解説します。

男女別学校の校数推移

1992年と2023年の文部科学省の学校基本調査から、男女別学と共学の学校数を抜き出してみました。

共学校男子校女子校合計
1992年4,493324 6665,501
2023年4,408992694,791
文部科学省 学校基本調査 令和5年度 平成4年度

私が受験したころ(1992年)と比較すると現在(2023年)は、女子校は4割ほどに、男子校は3割ほどになっています。

全体からみると、女子校は5%程度、男子校は2%程度となり、かなり希少です。

共学化が進んでいると言われてはいますが、ここまで減っているということにびっくりします。

共学化が進む理由

共学化が進む要因は、以下の理由からと言われています。

  1. 少子化によって生徒を確保しにくくなったため、経営面の観点から共学化している。
  2. 男女平等参画社会を推進する中で、男女が分かれて勉強するという不自然な状態が疑問視され、共学化が進んでいる

2点目については、男女平等の意識を高めるのであれば、共学ではなく男女別学の方が利にかなっていると、私は思っています。その理由は以下に記載します。

男女別学のメリット

異性の目や性による役割分担(ジェンダーバイアス)を意識することなく過ごせる

男女平等参画社会の推進といわれて久しいですが、男女共同参画局が発表している2023年の日本のジェンダー・ギャップ指数(GGI)の順位は、125位/146か国です。

分野別の順位は、経済123位、教育47位健康59位、政治138位となっており、経済と政治の値が低くなっています。

これは、民間企業等の女性管理職の割合が低いことや国会議員等の女性の割合が低いことなどが一因。

このように、性別による暗黙の役割分担、つまり無意識のジェンダーバイアスが日本人の中には少なからずあります。

そして、共学は社会の縮図であるため、学校の中にもジェンダーバイアスが持ち込まれてしまいます。

共学では「力仕事は男子の仕事である」「マネージャー的役割は女子の仕事である」などの性別による暗黙の役割分担があることが多いです。

また、共学では、精神的成長の早い女子が精神的に幼い男子を馬鹿にする傾向があるため、自己肯定感が下がり、自分らしくいられない男子がでてきます。

逆に、男女別学校では、言わずもがな異性がいないため、全ての役割を自分たちが担います。

女子校では必然的に女子がリーダーシップを発揮する機会が多くなり、男子校では男子もサポート的な役割を担います。

また、異性の目がないため、のびのび自分らしくいられます。

このように、女子校では自立心が芽生えやリーダーシップを発揮しやすいというメリットがあり男子校では女子の目を気にせず自分らしくいられるというメリットがあります。

私も、女子校時代の6年間は「自分は(自分たちは)なんでもできる」という根拠のない自信をもちながら育ちました。

「女性はサポート役」という感覚もなく育ちました。

私自身もそうですが、女子校時代の友人には、男性が優位な社会の中でも負けずに、男性と同じくらいの年収で働いている人が多いです。

性別ごとの特性を生かした教育を受けられる

男女では考え方や脳の発達の仕方が違うので、男女別学校では、性差に応じたカリキュラムや環境で学べるようにしていることが多いです。

例えば、女子校では、理科や数学が苦手にならないよう女性の脳の発達に応じたカリキュラムを組んでいる学校や、3日に1回の席替えを実施している学校もあります。

先生も、単一の性別の特性を生かした授業を行えばよいので、授業の質を高めることができます。

また、伝統女子校では、礼法やマナーの授業があり、ジェンダーバイアスを意識しない中でも、女性らしい品格は身に着けられるようになっている学校が多いです。

進学実績が高くなる

東大合格者が多い高校の上位は、ほとんど男女別学校が占めています。

これは、異性の目を気にせず、自分のぺースで勉強に打ち込むことができるからと思われます。

異性がいるから頑張れるという場合もあると思いますが、異性の目がきになって勉強に集中できないケースの方が多いと思います。 

また、「頭が良すぎる女性はもてない」という意識が今でもあるため、共学の女性の成績や進学実績が本来のポテンシャルよりも低くなりがちです。

異性の目を気にせず、好きなことに没頭できる

これは、勉強と同じですが、男女別学であれば異性の目を気にすることなく部活や趣味に没頭できます。

共学だと異性からオタクと馬鹿にされたり冷やかされたりしがちですが、男女別学であれば誰の目をきにすることなくオタクでいられます。

また、同じような趣味をもっている友達が部活やクラスにいれば、一緒に没頭することができます。

男女別学では、友達に自分の趣味を言っても馬鹿にされない環境なので、本当にリラックスして自分らしくいられます。

知り合いの息子さんも、鉄道研究部がある男子校を受験し、見事に第一志望に合格していました。

電車が大好きなので、男子校で趣味に没頭したいと本人の強い願いから男子校にしたそうです。

一生ものの友人をつくりやすい

異性の目を気にしなくてよいため、異性からの評価によるスクールカーストは存在しません。

女子校では、活発なグループ、文化系のグループといったようにグループは存在しますが、対個人で仲良くなるときには、多様性を認め、お互いに尊重し合います。

もちろん、共学校でも一生ものの友人を作ることはできると思いますが、異性をめぐったいざこざに巻き込まれたり、一人の異性をめぐり親友関係にヒビが入ったりしがちです。

男女別学校であれば、異性をめぐったトラブルは起こりにくいので、腹を割ってなんでも話せる友人を作りやすいといえます。

私も女子校での6年間で一生ものの友人を作ることができました。

出会ってから30年以上たっていますが、年1回以上は集まって、他愛のない話から悩み事までなんでも話しています。

多感な時期に一緒に6年間生活したことで、価値観や考え方も似ているところが多いです。一緒にいるととても居心地がよく、唯一無二の存在です。

男女別学のデメリット

恋愛で不利になる可能性が高い

男女別学では、異性への免疫がないため、距離感や接し方が分からず恋愛において不利になると言われています。

また、異性を見る目を養うことができないため、大学や社会に出て恋愛・結婚するときに異性を見る目がなくて困ることが多くなります。

男子校出身の人は未婚率が高いといいますが、女子校出身の人はそのようなことはないようです。

私自身も、大学に入ってから男性との距離感や接し方に苦労しました。

私の場合は、どんな男性にも分け隔てなく平等に接してしまっていたため、こちらには恋愛感情はないのに誤解されてしまうといったことがありました。

また、私自身も女子校時代の親友も、悪い男にすぐにひっかかってしまい、「男性を見る目がないこと」が共通の悩みでした。(しかし、今は幸せな家庭を築けている友人がほとんどです。)

男女別学に入る場合は、異性との交流の機会を学校とは別に意識的に持つことが大切かもしれません。

実社会に出たときに環境にスムーズに適応できない可能性がある

共学は男女が共生する実社会と同じ状況を経験できるため、大学に入ったときや社会に出たときにスムーズに適応し、なじむことができます。

その逆で、男女別学校の出身者は、実社会に出たときに、ジェンダーロール、ジェンダーバイアス、男女のコミュニケーションの取り方の違い等に戸惑うことになります。

仕事をしていく中では、男女が一緒に仕事をしていきますが、男女で仕事の仕方やコミュニケーションの取り方が違います。共学の方が、男女の特性を理解できるため、スムーズに実社会に適応できます。

私は、実社会にでてみて女性が男性よりも出世が遅れることや女性だけが配置される部署があることにびっくりしました。

産休・育休中も、同期の男性たちから置いて行かれる気がして落ち込みました。

旧態依然の会社では、女性が育児とのバランスをとりながら、責任のある仕事をできる環境は整っていないので、女子校時代の「なんでもできる!」という気持ちと現実とのギャップに苦しんだ時期もありました。

今は、子育てと仕事の両立をうまく自分の中で整理することができていますが、本当はもう少し仕事を充実させられたかもしれないという気持ちはあります。

今の子どもが社会に出るころには、女性でも育児をしながらもっと社会で活躍できるようになるといいなと思います。

男女別学に合う子ども(家庭)

次のような希望をもつ家庭又は子どもは、男女別学が合っているかもしれません。

  • 多感な6年間をジェンダーバイアスを意識しない環境で過ごしたい
  • 性差に応じたカリキュラムや教育を受けさせたい
  • 子どもに自立心や積極性を身につけさせたい(特に女子)
  • 異性の目を気にせずに勉強や部活、趣味に打ち込みたい
  • 自分らしく過ごせる環境で、腹を割ってなんでも話せる友人を作りたい

まとめ

男女別学のメリット・デメリットをまとめてみました。

男女別学でも共学でもメリットもデメリットも存在するため、最終的には家庭として何を一番大切だと考えるのか、子どもの特性に合った又は子どもが望む環境はどちらなのかをベースに慎重に決めていいくことになります。

男女別学か共学か選ぶ際に、参考にしていただけたら幸いです。

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この記事を書いた人

・2026年(娘)と2029年(息子)中学受験予定の2児母
・早稲田卒フルタイムワーママ
・30年ほど前に中学受験を経験し、都内某伝統女子校(ボリュゾ)に入学
母親から中学受験で教育虐待を受けた経験があるため、娘の中学受験は幸せ「ウェルビーイング」なものにしたいと決意しました。
まだまだ、失敗・反省を繰り替えす日々ですが、「ウェルビーイング」こそ、日々の習慣や努力が大切だと思っています。
「ウェルビーイング」な中学受験をするために、必要な心構え、私が取り組んでいることや、考え方(コツ)などを中心に発信していこうと思っています。
また、中学受験に役立つ情報も発信していきます。

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